“コーヒーが好き”という気持ちが、つながる場所。
“特別なコーヒーを気軽に楽しんでほしい”
そんな想いから誕生したのが、福島県にあるRIVER BEACH COFFEEだ。
自分のペースで、自分の好きなコーヒーを提供している
オーナーの姿は、多くの人に親しまれている。

福島市金谷川。福島大学に通う学生たちで賑わう町の一角に店を構えるRIVER BEACH COFFEE。営業は基本的に日曜日だけ、外観は大きなガラスがはめ込まれたベージュカラーのコンテナという、なんとも不思議なカフェはどのようにして生まれたのだろうか。オーナーの高橋誠さんにお話をうかがった。

浅煎りコーヒーの感動を届けたい。

“美味しい”と言ってくれる人がいたから。

「20代の後半頃から、コーヒーは自分で淹れて楽しむようになっていました。当時は安いコーヒー豆をあちこちのお店で買ってきて、深煎りや中煎りの苦みの強いコーヒーを飲んでいたんです。」昔を懐かしむように、コーヒーとの関わりを語ってくれた高橋さん。自ら生豆を焙煎するまでするこだわり派かと思いきや、意外なことに、煎れ方や豆の種類は、最近になるまでまったく意識してこなかったという。

 

「ある時、浅煎りのコーヒーを出してくれるお店に行く機会があって、そこで飲んだエチオピアの味に衝撃を受けて。それがきっかけですっかり浅煎りにハマり、産地のことや栽培方法も勉強するようになったんです。」
そんな高橋さんに、さらなる転機が訪れたのが2015年のこと。懇意にしていたカフェのオーナーが、イベントに出店するということで、スタッフとして誘われたというのだ。

 

「イベントのときに、自分の淹れたコーヒーを“美味しい”と言ってくれたお客さまがいたんです。全然知らない人に、味を認めてもらえたことが嬉しくて。“自分の手で自分でもやりたい、浅煎りコーヒーの美味しさをもっとたくさんの人に飲んでもらいたいな”と思うようになったんです。」

 

浅煎りコーヒーとの出会いを語る高橋さん。その美味しさを、もっと多くの人に知ってもらいたいと語る。

 

自宅の土間からはじまったカフェ。

イベントを手伝ったときの経験が、「それまでは自分がカフェをはじめるなんて思ったこともなかった」という高橋さんの心に火をつけた。
「イベントを手伝ってからしばらくして、少しずつ“自分のカフェを開きたい”という欲求が高まってきて。半年くらい経ったときには、もうその気持ちを抑えられなくなったんです。それで、思い切って自宅の土間でカフェをはじめました。」

 

自分が淹れたコーヒーを飲んでくれた人の “美味しい”という一言に突き動かされてスタートしたRIVER BEACH COFFEE。自宅が川に囲まれていて、幼少の頃によく河原で遊んでいたことから、その名を付けたという。
「最初の頃は友だちや知人しか来なかったんですが、みんながSNSに投稿してくれて。知らない人も少しずつ来てくれるようになったんです。」

 

カフェを訪れる人が増え、さすがに家では続けられない状況になったという高橋さん。結局自宅でカフェを開いていた期間は、わずか1ヶ月ほどだったいう。新しく店を出す場所を探し、見つけたのが、現在使用しているコンテナ。もともとコーヒー店が入っていたということで、十分な設備がそろっており、内装もそのまま利用しているという。

 

外観からは想像できない、木のぬくもりが心地いい空間。春になると、開放的な窓から桜が見えるとか。

自分のペースで、自分のやり方で。

日曜日は、大好きなコーヒーをふるまう時間。

「この場所はものすごく気に入っているのですが、最初の頃は人が全然来てくれませんでした。いろいろなマルシェやイベントに参加して、Fuglenの豆を使うようになって、ようやく少しずつ人が来てくれるようになったんです。」
Fuglenの豆を使用しているお店は、東北全域で見てもRIVER BEACH COFFEEだけ。それに浅煎りのコーヒーをメインで出すお店も、周りにはないという。
「だから、“珍しいコーヒーが飲みたい”というお客さまに、ご好評いただいているんだと思います。」

 

人気も知名度も上がってきたRIVER BEACH COFFEE。しかし基本的に日曜日しか営業しないという。その理由を尋ねてみた。「私は平日、全然別の仕事をしています。だから、RIVER BEACH COFFEEをオープンするのは日曜日だけと決めているんです。」
なんと、ここまで魅力的な空間とコーヒーを提供しているにもかかわらず、RIVER BEACH COFFEEはあくまでも副業だというのだ。休日の自分の時間、自分のペースで、自分が好きなコーヒーをたくさんの人に楽しんでもらいたい。高橋さんのスタンスに、コーヒーへの確かな想いが感じられた。

 

機材や豆、黒板などは、オープンする日の朝に搬入。

基本的な設備については、以前入っていたコーヒー店のものをそのまま活用している。

 

自分の知っていることは、すべて人に教える。

バリスタというと、ストイックで職人肌の人も多く、どこか近寄りがたいイメージを持っている人も少なくないだろう。しかし高橋さんと話をしていると、まったく真逆の親しみやすさを感じる。
「“どうやったらこんな味が出せるんですか?”って、お客さまに聞かれるのがすごく嬉しいんです。質問されるとコーヒーの淹れ方も、豆の使い方も、全部教えちゃいますね。さすがに全部教えるのはどうなのかな、と思うことはあります。でもそのおかげで来てくれるようになったお客さまもいらっしゃるんですよ。」
屈託のない笑顔を見せる高橋さん。この人柄こそが、RIVER BEACH COFFEEの人気の秘密なのではないだろうか。

 

東北では浅煎りコーヒーを飲む習慣がない。だから高橋さんは、

お客さま一人ひとりに浅煎りコーヒーの魅力を丁寧に説明しているのだという。

スペシャルなコーヒーが、当たり前に楽しめるように。

Kalitaは、いつも同じ味で安心する。

高橋さんがKalitaと出会ったのは、今から7年ほど前。たまたま訪ねたロースターにKalitaのウェーブドリッパーがあり、自分も購入してみたという。
「いろいろな器具を使ってみて、最終的にKalitaのウェーブドリッパーに落ち着きました。味が安定するところ、クリアな味が楽しめるところ、それに抽出時間が早いところが良いですね。浅煎りコーヒーに関しては、Kalitaが一番相性がいいと思います。」
Kalitaにたどり着くまでの紆余曲折。そんなところにも、高橋さんの浅煎りコーヒーへのこだわりが感じられる。

 

「いつ飲んでも同じ味が楽しめる」と、ウェーブドリッパーを使う理由を語ってくれた高橋さん。

 

ゆるやかなご縁を大切にしたい。

最後に高橋さんから、読者の方へメッセージをいただいた。「お客さまとは、ゆるやかにつながっていけたらと思っています。お店だけではなく、イベントにも参加しているので、もし興味があればお近くのイベントで探してもらえると嬉しいですね。また、将来的にはスペシャリティコーヒーをテイクアウトできるようなお店をつくっていきたいと思っています。コンビニのような気軽さで、たくさんの人に浅煎りコーヒーを楽しんでもらいたいですね。」

 

「浅煎りコーヒーの魅力を、もっと多くの人に知ってもらいたい」という想いからRIVER BEACH COFFEEをはじめた高橋さん。今週の日曜日もまた、その人柄と特別なコーヒーに触れ、たくさんの方がちょっといい時間を過ごしていることだろう。

Shop Information
RIVER BEACH COFFEE & Kalita
Store riverbeachcoffeeandkalita
営業時間
不定期
住所
〒960-1244
福島県福島市松川町関谷大窪93
定休日
不定期
HP
http://www.facebook.com/RIVERBEACHCOFFEE/
営業時間はこちらからご確認ください。
http://niji-0602.jugem.jp
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